このブログでは、『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』(プレイステーション2。以下『超力兵団』)と続編『デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王』(プレイステーション2。以下『アバドン王』)は、今の時代には相応しくないから復刻やリマスター化などはして欲しくない(『ライドウ』シリーズ自体ももう出して欲しくない)と言い続けているが、もしも「この二作のグラフィックがリマスター化で高画質されて、非常に鮮明に見えるようになったとしたら…」と考えてみると…。
『超力兵団』は他の『メガテン』と比較すると、結構グロテスクで不気味なグラフィック・ムービーが多いのが特徴であり、特に私がいちばんグロテスクで気持ち悪いと思ったのは「第拾話で、国津神・スクナヒコナが軍人・宗像の口の中から現れる」ムービーだったりする*1。他にグロテスクだったのは、第八話で行くことになる鉄塔「和電イ号基」(私は「ヒルコタワー」と呼ぶ)で、あれは「ヒルコ」という悪魔*2でびっしりと覆われているのだが、これが異様に気持ち悪い。他にも気持ち悪いシーンは多い。続編『アバドン王』でも結構グロテスクで気持ち悪いシーンはあるが、それでも『超力兵団』には及ばない気がする。
で、これらが高画質化されると、「もっと吐き気がするほど気持ちの悪い」ものになりそう…。そうなってしまうと、オリジナル版よりも明らかにプレイヤーを選ぶゲームになってしまうので、熱心なファン以外は買いそうにないな…、と思った。
プレイステーション2以降のハードで『ライドウ』シリーズが出ていないのも、実はそれが理由という可能性はある。元々マニアックな『メガテン』シリーズの中でも異色中の異色作であり、かなりマイナーなので「新作やリメイクなどを出しても売れないだろう(確実に赤字が出る)」と思ったのが原因とも思われるが、「PS2よりも高画質なプレイステーション3、プレイステーション4などで『ライドウ』シリーズを作ると、気持ち悪さとグロテスクさが増すので、吐き気を催す人や、ものすごい嫌悪感を抱く人が増えてしまい、余計売れない」と判断しているため…、とも考えられなくはない。有名なホラーゲーム『バイオハザード』(カプコン)などの「グロテスクなゲームだがそこが受けて大ヒットする作品」とはまた違うわけだ。『バイオハザード』なら、グラフィックが高画質になると売り上げが上がるので喜ばしいことだろうが(リアルなホラー体験を期待するファンが多いため)、逆に『超力兵団』と続編は「高画質化するほど余計売れなくなる」という矛盾のようなものを抱えている…、のではないか。『ライドウ』シリーズは、PS2のグラフィックでやるのが限界だったのかも。「吐き気がするような気持ち悪さを、何とかギリギリまで抑えられる」のがPS2だったのか…、と。
ひとつ気が付いたが、『メガテン』シリーズでパッケージに「このゲームには暴力やグロテスクな表現が含まれます」と注意喚起があるのは『超力兵団』と『アバドン王』、それと『DIGITAL DEVIL SAGA ~アバタール・チューナー~』(プレイステーション2)と『DIGITAL DEVIL SAGA ~アバタール・チューナー2~』(プレイステーション2)だけで、『アバドン王』以降はこの注意喚起がある『メガテン』シリーズは見当たらない*3。もしかすると、『アバドン王』以降は「それらのマークが必要なほどグロテスクな表現のある『メガテン』を出すのを止めてしまったから*4、『ライドウ』シリーズはもう出せなくなっている*5」可能性もある? と思った。
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