昨日の記事。
kirishimaloda6915.hatenablog.com
スマホで「日本奪還」だの「日本のために戦う」だのといったことを強調したゲームが二本も(『メガテン』とは関係ないが)発表されたことが不安だ、と書いた。どんなゲームかはまだよく分からないところが多いが、もしや「愛国心啓発ゲーム」とか、「日本礼賛ゲーム」だったとしたら嫌だなぁ…。
「愛国心」そのものが悪いというつもりは無いけど…、しかし今のご時世だと、「我々こそ愛国者、日本は素晴らしい国、美しい国」とか言いたがる人は「ネット右翼」だったりすることが多いわけだし、やたらと「日本を取り戻す」だの「日本は美しい」だのと強調した作品は、「自称愛国者」のネット右翼化したゲーマーに好まれやすいのではないだろうか。
日本は美しいとか素晴らしいとか思うこと自体は個人の自由であるが、問題なのは「日本スゴイ・日本礼賛」を好むネット右翼は大抵、同時に「嫌韓・嫌中」思想を持っていることだろう。つまり「日本と日本人は素晴らしいが、それに引き換え中韓とそこに住む人間は劣っている」という民族差別的な思想。右翼本やネットの影響でそうなってしまったのか…。このような思想は、かつての大日本帝国で蔓延っていた思想そのものだ。それが隣国に対する侵略戦争や植民地支配を後押ししたのだろう。
書店にもその手の本は同じところに置かれているケースが多く、セットで買う人も多いのではないか。「日本スゴイ」本には同時に「嫌韓・嫌中」思想が書かれている場合もあるだろう(逆に嫌韓・嫌中本に「日本スゴイ」が書いてあるケースも…)。「日本スゴイ」にはまっているうちに、嫌韓・嫌中思想も刷り込まれて、場合によってはヘイトスピーチを行うようになることもあるのではないか。そもそも、その手の「日本スゴイ」本に書かれている「日本の凄い部分」というのは、大抵は嘘か、著者が都合よく解釈しているか、物凄く大げさに書いてあるだけだと思うが。嫌韓・嫌中本にしても、中国人・韓国人に対する憎悪と偏見に満ちた著者が勝手に「歪んだ中国人・韓国人像」を作り上げているだけ。
前も言ったように、『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』(プレイステーション2。以下『超力兵団』)には右翼とネット右翼に好まれやすい要素が多く(戦前日本が舞台であるのも原因の一つか)、今の時代に復活させるのはやはり危うい…。このゲームで特別「愛国心」を強調するシーンがあるとは思っていない(第拾話で鳴海がそれっぽいことを言っていたことぐらい?)。しかし第七話では、超國家機関ヤタガラス(主人公・ライドウの味方をしている組織)の命令で「ある重要な人物」を救わないと進めないのだが、その人物は実は「大正天皇」であるわけで(天皇とは呼ばれないが、詳しく検証すれば分かる)、そのことに気付くと「このゲームはプレイヤーの愛国心を試そうとしているのではないか」という嫌悪感を抱かざるを得ない。『超力兵団』は、別に右翼しかプレイしないゲームではないのに(メガテニストでも思想は様々であるし、在日韓国人・在日中国人もプレイする可能性があるだろう)、このような表現を入れることを問題視しなかったのはなぜなのだろう。
このゲームの目的は「帝都(東京)を護る」ことであるのだが(「ヒロインを救う」のも目的ではあるが)、帝都は日本の中心であるので、結局は「日本(国体)を護る」のと同じことであり、「愛国心育成ゲーム」と言えなくもない…。
先ほどの記事で書いた、やたらと「日本」を強調するゲームが相次いで発表される事態を見ると、やはり「今時のゲーマーも『日本礼賛・愛国的』なゲームを求めているのか?」と不安になる。こんな時代にもしも『ライドウ』シリーズを復活させようとすると、「時流に乗って、より『日本礼賛・愛国』を強調したゲームにしよう」(広告やキャッチコピーも含めて)となってしまう怖れがある。だからこそ若い人には危険だと言っているのであって…。そういったゲームが若者に与える影響を考慮すれば、安易に『ライドウ』シリーズ復活など出来ないと信じているのだが。
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