悪魔ハンター桐嶋ローダVS八咫烏

『葛葉ライドウ』シリーズの復活を阻止したいと思うメガテニストが書くブログ

『ライブ・ア・ライブ』も「リメイクしないで欲しいタイトル」なのかも知れない…

ファミ通.comより。

www.famitsu.com

スクウェア(現・スクウェア・エニックス)が1994年に発売したスーパーファミコンのRPGで『ライブ・ア・ライブ』というものがある。これはプレイしたことは無いが、当時のゲーム雑誌「ゲーム・オン!」(小学館。休刊)などで特集されていたことは覚えている。

これは当時、小学館の雑誌で人気のあった漫画家七名とのコラボ作品なのだが、その中で異彩を放つのは「小林よしのり」氏であろう。当時はごく普通のギャグ漫画家であるが(既に思想漫画『ゴーマニズム宣言』も描いていたけど)、後に『新しい歴史教科書』に関わったり、「日本軍『慰安婦』問題」などで、歴史修正(改竄)主義に走ってしまったことで知られる。今は過去の反省から、多少変化しているようだが、私はあまり信用していない。

『ライブ・ア・ライブ』は、話題になったわりにはミリオンヒットはしなかった。しかし今でも根強い人気はあるらしい。現在はWii Uと3DSのバーチャルコンソールで配信されているそうだが、それ以外のリマスター化・リメイクは今のところ実現していない。今リメイクを行うとしたら、小学館及びゲームに関わった漫画家七名と再び交渉しなくてはならず、スクウェア・エニックスの他のゲームよりリメイクが面倒そうな作品だと思う(お金も相当掛かりそうだ…)。

だが、それ以外にも問題はありそうだ。憶測だが、小林よしのり氏の存在がネックなのでは…、と。『ライブ・ア・ライブ』に罪は無いのだが(勿論『おぼっちゃまくん』などもそうだが)、後の小林氏の変節ぶりを知っている者が見ると「小林よしのりの関わったこのゲームを、今の時代にリメイクするのは問題がある」と映るのではないか(内容的には問題無いとしても…)。もしリメイクが実現したりすると、「反・小林よしのり派」から抗議が来そうな気もする…。それを怖れているからリメイク等は実現していない可能性はある(バーチャルコンソールはOKだとしても…)。

さて、小林氏の作品で『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』(幻冬舎。以下『戦争論』)というものがある。私は読んだことは無いが、批判本としては『君たちは戦争で死ねるか 小林よしのり『戦争論』批判』(大日方純夫+山田朗+山科三郎+石山久男著/大月書店)などがある。『戦争論』は、内容的には「『大東亜戦争』肯定論」であろうが、未だにこれの影響下にある人たちも居るのは事実であろう。ちなみに小林氏も関わった『新しい歴史教科書』の一部も、この『戦争論』からの流用と見られる箇所があるという。

もしかすると、『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』(プレイステーション2。以下『超力兵団』)も、実は『戦争論』などの「『大東亜戦争』肯定論」から影響を受けている可能性はあると感じるし、いわゆる「架空戦記もの」(「アジア・太平洋戦争はこうしていたらアメリカに勝てたのに…」などといった妄想から書かれた戦記小説)からの影響もありそうだと思う。このゲームの日本は「現実の日本よりも軍事力・科学力が高い」設定であることと、ゲーム中で見られるセリフなどから考えると、ひょっとすると最終ダンジョンにおける未来描写も、本当は「日本は高い戦力によって戦争に勝った」ことにしたかったのかも知れない…。でもさすがにそれは出来なかったのだろう。

しかしはっきり言うと、いくら日本の軍事力が高かったとしても、アジア・太平洋戦争に勝つことは絶対に無かっただろう。あの戦争は「アメリカだけに負けたのではなく、植民地にしていたアジア圏の抗日運動にも負けた」のが真実だからだ。これを正しく理解していないと、「軍事力さえ高ければ日本はアメリカに勝てたのに」という妄想に陥ってしまうのでは。多分、『超力兵団』の製作者も、「あの戦争ではアメリカに負けたのだ」という程度の認識しか持っていないような気がする。

参考文献

  • これならわかる戦争の歴史Q&A(石出法太・石出みどり著/大月書店)
  • 時効なき日本軍「慰安婦」問題を問う(纐纈厚・朴容九編/社会評論社)
  • デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団 超公式ふぁんぶっく(ファミ通編集部責任編集/エンターブレイン)