前も似たような話はしたが、『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』(プレイステーション2。以下『超力兵団』)では大正天皇を守護する組織「超國家機関ヤタガラス」を味方としたり、天皇(としか思えない人物)を救わなければ話が進まない展開を入れながらも、それに関してパッケージなどの「ゲーム購入前の情報」では一切触れていないのは非常に問題があると思っている。
そもそもこのゲームは多様なプレイヤーの居る『メガテン』シリーズの一種なので、「天皇や天皇制が嫌いな人、身分差別制度である天皇制は廃止していいと考える人、昭和天皇には戦争責任があると考える人」もプレイする可能性のある作品だ。無論、在日韓国人や在日中国人などもプレイするかも知れない。それなのに「天皇好きには称賛されるが、天皇嫌いからは猛反発を買うであろうシナリオと設定を入れる」ことは間違っていたと考えている。
しかしそれでも、あらかじめパッケージや公式サイト、ゲームの紹介記事や広告などに「このゲームは天皇を守護する組織を味方としています。このような表現が不快な方はご遠慮ください」とでも書いておけばまだマシだったのだ。それさえ知っていれば「このようなゲームはプレイする気にならない」と判断したユーザーは買わないだろうから。だが実際にはそのような記載は無い。これについて触れてしまうとネタバレになるから、パッケージなどに書く訳にはいかなかったのだろう。
私は長いこと「この『超力兵団』を現代に蘇らせることは絶対にあってはならない」と訴え続けているが、万一「Steam」その他で配信なんてことになった場合、ゲーム紹介のページで「このゲームは天皇守護組織が味方として出てきます。天皇嫌いの方には不快に感じられる可能性があるため、購入はお薦め出来ません」なんて書かれるのだろうか。多分、それは無さそうである。それを書いた時点で「ゲームのネタバレ」になってしまうので、書く訳にはいかないだろう。そう考えると、「これからゲームを買う人向けの情報に、『天皇嫌いの人には不愉快なのでお薦めしない』という非常に重要なことが、ネタバレ防止のために書くことが出来ない」この『超力兵団』は、やはり今の時代に復活するのは不適切なゲームだと思う。
こちらの記事二つも参照。
kirishimaloda6915.hatenablog.com