今の日本では「日本は単一民族の国である」などという説を信じる人はあまり居ないだろう(一部の右翼は本気でそう思っているのかも知れないが)。しかし、『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』(プレイステーション2。以下『超力兵団』)をプレイしていると、どうも「このゲームは『日本は単一民族の国である』という幻想を現実にしたいから作ったのか?」と思えることがある。
『超力兵団』は架空の1931年の日本を舞台としているが、在日韓国人らしい人は一人も居ないし、『古事記』にある「アマテラスの子孫・神武天皇が土着の民を制圧して日本を支配するようになった」話が現実化していることも考え合わせると、「日本には『純粋な』大和民族しか存在しない。移民の子孫など居ない」という幻想が現実化している可能性はある。
近年は「多様性(ダイバーシティ)」という言葉をよく聞くようになったが、そんな今の時代においては『超力兵団』のような「日本は単一民族国家であって欲しい」願望が垣間見えるゲームは相応しくないだろう。