先日の記事。
kirishimaloda6915.hatenablog.com
これに関連してもう一つ書くと、この『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』(プレイステーション2。以下『超力兵団』)のシナリオは「排外思想を批判するどころか、むしろ肯定してしまっている」としか思えないのである。
前も言ったように、この『超力兵団』にある「かつて『天津神と天皇に逆らったから』という理由で排除された神々を、天皇守護組織に仕える主人公が再び排除する」シナリオは非常に問題なのだが、さらに全体的に見てもこのゲームには「排外思想・差別思想を批判・否定するような場面はほとんどと言っていいほど見受けられない」ため(在日韓国人も出てこないし、天皇制反対者も居ないし…)、余計に「むしろ排外思想を肯定してしまっている」感が強いのだ。
このゲームの舞台である1931年の日本では、政府の策略により多くの日本人は「天皇を頂く日本はアジアでいちばん偉い国」と思い込まされていたので、日本以外のアジア人や在日韓国人に対する差別意識や排外思想が強くあったことは確かなのだが(無論、差別思想や排外思想に抵抗する日本人も一部には居たのだが、ゲームには出てこない…)、それを批判も否定もせずに「かつて排除された天皇に逆らった者たちを、天皇の名の下にまた排除する」シナリオをやってしまうのは、「排外思想を肯定・称賛する」のと同じことだ。
前も言ったように現在の日本は、韓国や中国、在日韓国人などに対する排外思想が強まっており、非常に良くない状況である。今の日本においては、『超力兵団』という「排外思想を肯定するようなゲーム」を復刻するのは危険なのだ。