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kirishimaloda6915.hatenablog.com
この『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』(プレイステーション2。以下『超力兵団』)の世界観では「日本は単一民族の国家である」というフィクションが現実化しているのではないか? といったことを書いた。これに関連してもう一つ書いておく。
このゲームの第八話で、敵である「陸軍将軍・宗像」がこのようなことを言っている(太字は重要と思った部分)。
「かつて…、そう遥か古の時代、天より降り立ったという者がいた。その者は己こそ大和の地の支配者と呼び、その地に住む民を征服し始めた。頭を垂れる者を従え…、反抗する者を討ち果たし…、大地を血で染めて作り上げたのがこの日本という国なのだ。従う事を良しとせず、戦いに敗れた民は、様々な蔑称で呼ばれながら生き続けた。鬼とも土グモとも呼ばれ、大和の民とは認められずにいた…」
つまり、この『超力兵団』の世界では『古事記』にある「神武東征」が現実化しており、「神の子孫である神武天皇が土着の豪族を追い払って日本を創った」ことになっているようだ。そして神武により追い払われた者たちは「鬼・土蜘蛛」などと呼ばれて排除され、「大和(日本)の民とは認めてもらえなかった」という。
この話を見るにつけ、やはり『超力兵団』は「日本は単一民族国家である」というフィクションを本当のことと思いたいから作ったように思える。神武により排除された者たちは「『大和の民と認められない』ため、実際には居るが存在を消された」状態なのだから…。
何も知らない若者が、このゲームをプレイすると「日本には単一民族しか居ない」と考えるようになりそうなのも、これを復刻して欲しくない理由の一つである。まあ、そこまで強い影響を受ける人は少ないだろうが、前も言ったように今の日本では排外思想が強まっているし、麻生太郎は以前「日本は一つの民族」などと変なこと言ってたし、それに同意するネット右翼も居るらしいことを考えると、単なる杞憂とも思えなかったりする。
参考までに、これは「リテラ」の記事。私は「リテラ」そのものは「ネット左翼向けのアジテーションメディア」だと思っているので、あまり信用はしていないが…。