AUTOMATONより。
『ファイナルファンタジーXIV』(パソコン。スクウェア・エニックス)の表現が一部のプレイヤーには「不快、嫌悪感がある、恐怖を感じる」として変更される、という話。インターネットが普及した今の時代のゲームは、そういう要望にもすぐに応えないといけないってことだろう。世界中からアクセスのあるネットゲームなら尚更か…。スクウェア・エニックスの知名度も高いし。
昔のゲームだったら「一部のプレイヤーには非常に不愉快な表現」があっても余程のことが無い限りは回収とかにはならなかった…*1、それにパッケージソフトでは後から修正も出来ない*2。
『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs. the Soulless Army)』(プレイステーション2。以下『超力兵団(Soulless Army)』)には、「『天皇制は身分差別制度であるし、また侵略戦争や植民地支配の象徴でもある』と考える反天皇制の者には非常に不愉快で嫌悪感を感じるシーン」がある。それは何度も言うように「大正天皇*3を救わなければならない第七話」のことである。まあ、それだけではなく「天皇にまつろわぬ者を倒す」シナリオもまた良くない表現なのだが! だって「反天皇制の者は排除しても良いと教えるような話だ!」と思えるわけだし。何度も言うけどライドウは尊いよ(笑)?
もしも、このゲームが今の時代に発売されたゲームだとしよう。そうするとやはり私のような反天皇制の人間から「第七話は天皇を救えと強要される話なので(逆らうと進めないし)、非常に嫌悪感がある。実に不愉快だ。それだけではなく、天皇は侵略と植民地支配の象徴なので、中韓の人にも失礼だし、修正して欲しい」といった苦情は確実に来るだろう(他にも修正すべき点はあるが)。その場合はどうするのだろうか。ここを修正してしまったら、シナリオ自体が大幅に変わってしまうことは避けられない。そう考えると、この『超力兵団(Soulless Army)』は「『ゲーム機をインターネットに繋ぐこと』はまだ一般的とは言えず*4、簡単にゲームの表現を修正出来ない時代だからこそ出せたゲーム」なのだろう。また、「中韓の反応をさほど気にしなくても良かった」時代だったから、ってこともありそう(それとアトラスがセガの子会社じゃなかった時代だし…)。現時点で『ライドウ(Raidou)』シリーズが停止しているのも、「今の時代だとクレームで修正を余儀なくされる、アングラでヤバい表現ばかりだから(笑)」ということもあるのでは(流血描写も含めて)? 続編の『デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王(Devil Summoner 2: Raidou Kuzunoha vs. King Abaddon)』(PS2)の方もちょっとヤバい表現は確かにあったし(天皇を救う話は無いけど)。
万一このゲームがそのまま復刻とかしても(私は断固反対だが!)、やはり「表現を修正すべき」という声は確実にメーカーに届くだろう(万一復刻なんてことになったら、私が真っ先に声を上げるであろう!)。しかし過去のゲームをそのまま出す場合、シナリオを大幅に変えることは出来ない。『魔界塔士Sa・Ga(海外版は『FINAL FANTASY LEGEND』)』(ゲームボーイ。スクウェア[現スクウェア・エニックス])の『サ・ガ コレクション』(Nintendo Switch。スクウェア・エニックス)版では一部セリフなどが変わっていたが、前も書いたようにあれはセリフを変えてもシナリオはそのままでいいから問題は無かった。でも『超力兵団(Soulless Army)』の場合は…。