本家「ろーだいありー」の「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」シリーズでも書いたけど、『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs. the Soulless Army)』(プレイステーション2)に出てくる組織「超國家機関ヤタガラス」(以下ヤタガラス)は国家神道がモデルの天皇守護組織である。反天皇制の者が見れば実に気持ちの悪い組織である。ヤタガラスを滅ぼす話であれば納得するが、そんな話を作らなかったのは菊タブーを怖れているからだろう。
改めて考えると、「ライドウは幼い頃より葛葉の里でデビルサマナーになるための修行を積んでいた」設定もはっきり言ってすごく気持ち悪い。葛葉一族は児童虐待集団としか思えない。そんな環境でまともな人間に育つわけが無いと思うが、なぜライドウはいい子なんだろう? ライドウは恐らく被虐待児。デビルサマナーという仕事を本当は恨んでいるんじゃないのか。そんな虐待集団がいつまでも続くわけも無く、戦後は葛葉も解体されて「葛葉キョウジ」の一族のみひっそりと生き延びていたのではないだろうか?
「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」シリーズで書いたが、私の解釈では「ライドウは帝都を護っているようだが、実はライドウこそが帝都とヤタガラスを滅ぼす存在である」としているのだが(ライドウのモデルが荒俣宏の小説『帝都物語』の魔人・加藤なのでそのように思える)、それは「子どもの頃から自分を虐待する葛葉一族とヤタガラスとデビルサマナーというものを憎んでいるから」だとも考えられる。
もう一つ、今考えると続編『デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王(Devil Summoner 2: Raidou Kuzunoha vs. King Abaddon)』(プレイステーション2)の話も結構気持ちが悪い。あれは部落差別とか外見差別とかそういうものを描いた話なのだろうが(虫の姿をした人間「蟲人」は差別される存在だったし…)、日本に蔓延る差別の根源たる「天皇制」を滅ぼさずしてその差別を解消出来ると思うか? いや、出来ないだろう!
何度でも言うが私は『ライドウ(Raidou)』シリーズの復活には反対だがライドウは尊い! と思うよ(笑)。