共同通信より。
東京裁判で処刑されたA級戦犯の「処刑報告書」が発見された、という話らしい。
東京裁判では昭和天皇は罷免されているし、731部隊や日本軍「慰安婦(性奴隷)」制度関連も裁かれてはいない。そういう意味では不満の多い裁判であるが、当時の日本人のお偉方はどうせ同胞を裁く必要性すら感じてなかったのだし、裁判をしたこと自体は意義があると考えている。
でも、真の戦犯はやはり昭和天皇だ。A級戦犯らは「天皇の身代わりとして差し出された」とも言えるので(無論彼らにも戦争の罪はあるが)、哀れな人たちではある。別に同情はしないが。もうすぐ「終戦の日」(敗戦の日)なので、改めて戦争について書こう。
何度でも言うが『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs. the Soulless Army)』(プレイステーション2)の第七話は、「天皇と国体守護組織・超國家機関ヤタガラス(以下ヤタガラス)の命令で、敵の呪いに苦しめられる大正天皇*1を救う」話だし、命令に逆らうことは出来ない。しかも「その呪いを主人公のライドウが引き受ける」というおまけ付きだ(第七話クリアを困難にしている要素)。
前から何となく考えていたことだが、この第七話って実は「東京裁判で、罷免された天皇の身代わりとしてA級戦犯たちが処刑された」ことを暗示しているようにも思うのだった。穿ち過ぎるかも知れぬが、「天皇にかけられた呪いをライドウが引き受ける」のは、「天皇の身代わりとして犠牲となった」A級戦犯の姿とどこか重なる。A級戦犯たちは「現人神たる天皇のためにすべてを捧げる」という思いで働いてきた…、その結果天皇の身代わりとして差し出されてしまったのだが。本人らはそれで本望だったのだろうか。
ライドウは天皇守護のヤタガラスの配下なので、天皇と国体維持のために働いている身である。第七話は「現人神たる天皇のためにライドウが身を犠牲にして戦う」話だと言い切ってしまっていいだろう。そう考えれば、実は第七話は「東京裁判の暗示」と考えられなくも無い。
あえて暗い話をしよう。このゲーム上での将来、ライドウも恐らく戦争に行かなければならないだろう。だってヤタガラス配下なんだからそうなるのは当然だろう(ヤタガラスを滅ぼさない限りは…)。そして戦後、彼もまた「戦犯」として戦争責任を問われる身になる可能性だってある。裁判官から「天皇守護組織ヤタガラスに仕え、天皇を守護し、国体を維持しようとしたその行い自体が罪だ」と告げられたとしても不思議ではない。その頃には当然「国家神道」がモデルとしか思えないヤタガラスは解体されているだろうし、誰も彼を救うことは出来ない。
しかし、ライドウは自分の行いが罪と言われても、認められないのかも知れない。
「私がヤタガラスに仕え、帝都守護、天皇守護、大日本帝国守護のために働いてきたことの何が悪いというのか? 私は、帝都を守護することが人を護ることだと教わってきた…。それの何がいけないことだったのか?」
もしも、ライドウが「天皇の身代わりとして処刑される」事態になったとしても、彼はそれで満足するのだろうか? それとも…。
Bloggerのこちらも参照。
lodataiyatagarasu.blogspot.com
*1:天皇とは呼ばれなくても天皇と分かる人物