はてな匿名ダイアリーより。
「最近は体制側の主人公のマンガが多い」ってのは本当なのかね? 私はマンガ雑誌を買わなくなって久しいし(昔は少女マンガ雑誌を定期購読していたものだが…)、単行本もあまり買わないから(吉田戦車氏の作品などは買うこともある)、よく知らないのだけど。読んでないが『鬼滅の刃(Demon Slayer)』も一応そういう設定のマンガなんだろうけど…。
ゲームにしても、特に日本製のRPG、シミュレーションゲームあたりは「体制側の者を主人公としている」ものが多いとは思う(逆の設定のものもあるが)。洋ゲーはまた違うだろうけど…。前も紹介した『Through the Darkest of Times』(THQ Nordic Japan。Nintendo Switch、PS4他)は逆で「昔のドイツ(最初は1933年より始まる)を舞台とし、ナチスに立ち向かうレジスタンスを主役としているゲーム」だが、これは時代背景的には「体制側は絶対に主役に出来ない」のである。だって体制側を主役にしたら「ヒトラーの命令に従ってユダヤ人やレジスタンスを弾圧するネオナチ向けゲーム」になるし、そんなゲームは「ネオナチを量産する恐れがある」として発売出来ないだろう。「主人公はナチスに従っているように見えるが実は裏切り者で、ナチスを内部から崩壊させるのが目的のゲーム」であれば出せるのかも知れないけど(ドイツのゲーム倫理は日本とは違うだろうからよく知らないが)。
このブログでテーマとしているRPG『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs.the Soulless Army)』(プレイステーション2。以下『超力兵団(Soulless Army)』)は、その『Through the Darkest of Times』とは真逆の設定…、つまり「体制側の主人公」が出てくるゲームなのだ。何度でも言うが、このゲームの舞台は1931年の日本(元号は架空の「大正20年」)であり、国こそ違えど『Through the Darkest of Times』の序盤に近い。さらに『超力兵団(Soulless Army)』(及び続編)主人公のライドウは「超國家機関ヤタガラス(以下ヤタガラス)」なる「天皇と日本を守護する組織」に仕える「体制側の人間」である。
『超力兵団(Soulless Army)』のシナリオは端的に言えば「大正天皇を救い、天皇と日本に仇名す国津神を倒して帝都(日本の首都)の平和を取り戻す」だから、さっき言ったように「『Through the Darkest of Times』がもしも体制側を主役にしたゲームだったら『ナチスに協力するゲーム』という右翼向けのものになってしまう」をそのまま体現したようなもの(国は違うが)だと言えよう。さらに天皇守護組織が味方なのは「天皇制の持つ差別性や、天皇の名の下に行われた隣国への侵略」を肯定するのと同じことなのも問題だし。
続編『デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王(Devil Summoner 2: Raidou Kuzunoha vs. King Abaddon)』(PS2)では天皇を護る話は無いので、右翼向けっぽさはやや薄まっているが、結局ライドウがヤタガラス配下であることは変わらないので同じことだろう。
果たしてこんなゲームが二十一世紀の日本に相応しかったかと言えば、「相応しくないし、特に今の右傾化した日本では危険な側面がある」と私は思う。だからこそ『ライドウ(Raidou)』シリーズ復活には反対だし、『真・女神転生V(Shin Megami Tensei V)』(Nintendo Switch)にライドウ似の人物を出すのも、ライドウがゲスト出演する『真・女神転生3ノクターン HDリマスター(Shin Megami Tensei III: Nocturne HD REMASTER)』(Nintendo Switch、PS4、Steam)を出すのも本当は止めて欲しかったのだけどねぇ…。
もう一度貼っておこう。ゲーム総合情報サイトGamerより。
「真・女神転生V」の公式ミニ番組「NEWS真・女神転生V」にて八雲ショウヘイ(CV:杉田智和)など新たな登場人物と成長要素が公開!|ゲーム情報サイト Gamer
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ライドウとは名乗ってないが声が…? まあ買わないけど(笑)。『ライドウ』シリーズは今のきな臭い時代には相応しくないから…。
2021/08/19 14:36