『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs.the Soulless Army)』(プレイステーション2)の第七話で「敵の呪いに苦しめられている、海軍に関わる日本の未来に重要な『やんごとなき御方』」(絶対に救わないといけない人物)の正体は、私は大正天皇であると確信しているが、設定資料集には「もし天皇だとして~」とぼかして書かれている。だがいくら足搔いても「あれは大正天皇では無い」と言い張ることは絶対に出来ない。
さらに言うと、あの人物を「大正天皇では無い人物」として描くつもりだったのならば、この人物が呪いで床に臥せっている様子*1を描く必要は無いだろう。そしてこの人物を絶対に救えと命じる味方の組織に「超國家機関ヤタガラス」などと言う名前を付けてはならなかった。「ヤタガラス(八咫烏)」とは本来は「神武天皇を導いた烏」のことだし。
また、宗像が第伍話で言う「神武東征」*2が実際にあったことを思わせるセリフも、古代天皇が行った儀式が元ネタと思われる「天津金木」というアイテムも、第拾弐話に出てくる「トホカミエミタメ」*3も、「天皇家への逆賊の象徴」とデビルカルテの解説に書かれているボスキャラ「アラハバキ」も、神武天皇に逆らった豪族とされるボスキャラ「アビヒコ」と「ナガスネヒコ」といった、「天皇家にゆかりのあるモチーフやセリフ」は一切出してはならなかったのだ。これらのモチーフやセリフがゲーム上に出てくるという動かぬ証拠を繋ぎ合わせれば、初めから製作者は「あの人物は大正天皇をモデルとして設定した」ことは明らかだ。
もしもあの人物を「大正天皇では無く別人」と設定するのならば、彼が呪いで床に臥せっている話も、アビヒコ、ナガスネヒコ、アラハバキといった「天皇にまつろわぬ者」を倒す話も、「神武東征」があったことを示すセリフも、天皇家とゆかりのある「天津金木」と「祝詞」も、一切入れてはいけないのだ。これらを全て排除しない限りは「あの人物は天皇では無い」とすることは出来ない。
私は大反対だが、万一このゲームをリメイクすることになったとしたら、上層部やセガから「在日の人や、反天皇制の人からの抗議が怖いので、天皇家にまつわるモチーフは全て削除せよ」と言われるのかも知れない。そうなるとゲーム自体が大幅に変化してしまうことになるだろう。