さて、今日は防災の日である。関東大震災が起きた日が九月一日だったことに因んで作られたものとされる。
本ブログで何度も書いているが、『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs.the Soulless Army)』(プレイステーション2)は1931年の架空の日本(元号は架空の「大正20年」、史実では「昭和6年」)を舞台としているが、ゲームの時代より18年前の1923年に起きたはずの関東大震災は、ゲーム上では「起きなかったこと」にされているのだ。これはゲーム上では特に言及されないが、設定資料集にはそれらしいことが書かれており、これは「日本を陰で守護する味方の組織『超國家機関ヤタガラス』(以下ヤタガラス)の力によるもの」と思われる。
だが以前から指摘しているように、この設定には問題がある。
こちらも参照。
kirishimaloda6915.hatenablog.com
ここでも書いたが、要するに「関東大震災が無かった」ってことは「朝鮮人虐殺事件」(朝鮮人以外でも殺された人は多いが)も無かったことになる。ここがいちばん問題なんだよ。
「震災と虐殺が無かった設定のどこが悪いんだよ? むしろ良いじゃないか」という意見もあるだろうが、それには反論せざるを得ない。なぜか? それは、今の日本には「朝鮮人虐殺は無かった!」という歴史捏造言説が横行していることが原因である。かのラムザイヤー氏もそのような論調の論文を書いたそうだし。これに関しては現在研究中である。
東京新聞より。
小池百合子都知事が「朝鮮人犠牲者の追悼式典」に追悼文を送らないのは、彼女にもあの事件を無かったことにしたい思いがどこかにあるからかも知れない。
前も書いたが、このゲームで「関東大震災を無かったことにした」のは、製作者の中に「せめてゲームの中だけでも朝鮮人虐殺が無かったらいいのになぁ、誇り高い日本人や日本の軍人が、そんなことするはずは無いって信じたいから」という思いがあって、それ故にゲームで歴史修正を試みたのでは無いか、と考えてしまう。
それと、「ヤタガラスの力で震災を防いだ」とすると、もしかしたらヤタガラスの上層部には「震災の後、市民や警察、軍(皇軍)による朝鮮人虐殺が起こること」を予言する力がある人間が居て、「もしこれが起きたら、天皇家を守護し国家権力より上に居る我々ヤタガラスの責任も問われることになる」と恐れたから、それを防ぐ目的で震災が起きないようにした可能性もあると思う。
だってヤタガラスは「国家を超えた」組織であり、天皇と国体保持を目的とする組織だから、そのように考えていてもおかしくは無いだろう。震災を無くしたのは「市民の犠牲を防ぐこと」が目的なのでは無く、「自らに火の粉が降りかからないようにすること」が目的だったようにも思える。そんなヤタガラスも将来起こる戦争を防ぐことは出来ない。なぜなら天皇守護組織だから、天皇の戦争を「聖戦」としてむしろ推奨する立場にあるわけだし。
ところで、昨日書いたこの記事だが、書いてからわずか数時間で「注目記事」第二位にまで躍り出たのはどういうことだろう?
kirishimaloda6915.hatenablog.com
あとついでだが、サブブログ「デビルバスター★桐嶋ローダ対ヤタガラス」(Blogger)の更新情報はこちらを参照。
参考文献
- デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団 超公式ふぁんぶっく(ファミ通編集部責任編集/エンターブレイン)