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kirishimaloda6915.hatenablog.com
『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs.the Soulless Army)』(プレイステーション2。以下『超力兵団(Soulless Army)』)で、主人公・ライドウの味方をしている組織「超國家機関ヤタガラス」(以下ヤタガラス)は、日本と大正天皇を守護している組織だが、天皇と大日本帝国時代の日本を守護するのは「日本の侵略性と天皇制の差別性を肯定することに繋がる」し、ヤタガラス批判者の宗像や伽耶に憑きし者を倒してしまうから「ヤタガラスを批判的に描いたつもりでもその批判性は弱くなっている」といったことを書いた。
ラスボスの伽耶に憑きし者がヤタガラスを批判する時に、「ヤタガラスが将来『メシア教』という狂信的な宗教になる」みたいなことを言うのだが、メシア教とは『真・女神転生』(スーパーファミコン他)と『真・女神転生II』(SFC他)に出てくる架空の宗教で、キリスト教がモデルだ。私はまず『超力兵団(Soulless Army)』の世界と『真・女神転生』、『真・女神転生II』の世界が繋がっていること自体がおかしいと思うし、国家神道がモデルとしか思えないヤタガラスがメシア教になることも不自然だから、信じてはいないのだけど…。
詳しくはこちらで。
そもそも伽耶に憑きし者の言っていることは『真・女神転生』と『真・女神転生II』のメシア教のことを知っているユーザーにしか理解出来ないことであり、知らない人が見ると「伽耶に憑きし者がヤタガラスを批判している」ようには思えない可能性があるところが問題だ。そのせいで「ヤタガラスは実は良くない組織なのかも」と思えなかったとすればもっと問題である。
さらに言うなら、ヤタガラスを批判するのであればメシア教など持ち出さず、「軍の大将・大正天皇と、侵略国家である大日本帝国を守護するとはどういうことか? いずれ天皇が起こす戦争を防げないということだ」などと、直接的に批判すればいいのだが、なぜそうしなかったのか…。
やはり、そのようなセリフは「菊タブー」を怖れて入れられなかったのかも知れない。だから無理やりメシア教とヤタガラスを結びつけて、ヤタガラス批判のためにメシア教を持ち出した…、という可能性はある。だがそれがあまりにも不自然なので、ヤタガラス批判としては弱すぎるのだ。