以前も書いたが、『真・女神転生』(スーパーファミコン他)と『真・女神転生II』(スーパーファミコン他)にはキリスト教がモデルの「メシア教」という架空の宗教が出てくる。プレイヤーによってはメシア教に従うことも逆らうことも出来るのだが、逆らった場合はキリスト教の天使などが敵になってしまう。
『真・女神転生』と『真・女神転生II』のシナリオを見ると、どうもこの時代の『メガテン』には反キリスト教的なものを感じる。『真・女神転生II』なんてラスボスが「神」(具体的な名前はあえて伏せる。『魔界塔士Sa・Ga』でも「神」がラスボスだったけど)だし…。
しかし『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs.the Soulless Army)』(プレイステーション2。以下『超力兵団(Soulless Army)』)には反キリスト教的なものは感じられない。イベント上、天主教会に行くことはあるが、特に神がどうとか言われたりはしないし。舞台が戦前日本であることも関係しているのか?
逆に、神道…というか、味方である大正天皇守護組織「超國家機関ヤタガラス」(以下ヤタガラス)のモデルである国家神道(天皇を神とする国教)には相当すり寄っている感はある。そのすり寄った感が反天皇制の人間には実に気持ちが悪いのだが…。
このゲームのラスボスによると、ヤタガラスが将来メシア教になるとか言われているが、どう考えても辻褄は合わない。メシア教はキリスト教で、ヤタガラスは国家神道だもの。キリスト教は国家神道のせいで弾圧されていたことを知らないのか? 私としては「反ヤタガラス」的なシナリオが良かったのだが。
かつての『メガテン』スタッフの中には反キリスト教的な考えの人が居たのかも知れないが、『超力兵団(Soulless Army)』の頃にはほとんど居なくなったのだろうか。オウム事件以降「宗教を敵に回すのはヤバい」となったため、反キリスト教的なシナリオの『メガテン』は作れなくなった…、と考えられなくもないけど。