今週のお題「忘れたいこと」
「忘れたいこと」かぁ…。そりゃ真っ先に思い付くのは『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs.the Soulless Army)』(プレイステーション2)の第七話「呪われた探偵」のことだろう…。でも忘れることなんて出来るものか!
何度も言うけど、この話は「大正天皇としか思えない人物を、敵の呪いから救うために主人公・ライドウが身を粉にして戦わされる」というものだ。それを命じたのは天皇守護組織「超國家機関ヤタガラス」である。
だからさ、このゲームの時代背景(「大正20年」という架空の元号が使われる1931年の日本)的には「天皇は神であり敬わなければならない」という思想が強要されていたことは事実であるが、後世の人間はその「天皇は神、日本は偉い」という誤った思想こそが侵略戦争や植民地支配の元凶だったことは分かっているだろう。何度も書くけど、その間違った思想を無反省に「2006年発売のゲーム」のシナリオに組み込んでしまうのは、「天皇が起こした戦争や、天皇が最高責任者だった植民地支配を正当化している」と言われてもおかしくはないんだよ。
…そもそも、製作者は「天皇を神聖視したことが戦争や植民地支配の元凶」ということすら実は分かってないんじゃ…、と思ったりして。戦争も植民地支配も自然発生するものでは無く、誰かが引き起こすものだ。日本の戦争は大元帥・天皇が起こしたものだし、植民地支配も「八紘一宇(天皇を父として世界を一つの家にすること)のため」だった。
それにしても、第七話で大正天皇と思しき人物が出てくるシーンでは、カーテンのようなものでその人物は隠されており(シルエットのみ見える)、顔は映していない。これはいわゆる「菊のカーテン」を暗喩したものでは無かろうか、と今になって思う。