GAME Watchより。コメントも付けた。
任天堂、海外向け「Advance Wars 1+2: Re-Boot Camp」が発売日未定に 理由は「昨今の世界情勢を鑑みて」。戦争戦略シミュレーションのリメイク作
- [ゲーム]
今のご時世じゃあしゃあない。『ライドウ』シリーズだって侵略国家の大日本帝国が舞台だし、右翼好みの天皇ファンタジー満載ゲーム(笑)だから今はダメだと思うの。
2022/03/11 16:48
戦争シミュレーションゲーム『ファミコンウォーズ』(任天堂)のリメイク版『Advance Wars 1+2: Re-Boot Camp』(Nintendo Switch。海外のみ)が発売延期になるそうだ。やはり現実で戦争が起きていれば、「不謹慎だ」という批判を避けるためにこの手のものは自粛するのは当然だと思う。このまま発売されない可能性も…?
このご時世的では、『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs.the Soulless Army)』(プレイステーション2。以下『超力兵団(Soulless Army)』)だって、万一復刻なんかしたら「戦争が起きている時に、戦争ばかりしていた大日本帝国を護るゲームを出すとは不謹慎だ! 自粛しろ!」と言われかねないし…。さらにマズいのは、主人公が「日本軍の大元帥である大正天皇も救ってしまう(というか強制的に救わされる)」ことだろう。前も言ったけど、これでは「天皇の祈りのお陰で日本は安寧なのです」(笑)という、右翼の信じる「天皇ファンタジーを肯定するゲームだ」と捉えられてしまうだろう。しかしこの「天皇のお陰で日本は安寧…」というのは全くもって胡散臭い。特に『超力兵団(Soulless Army)』の世界では、「日本の安寧は、天皇のせいで植民地支配されていた韓国と台湾の人の犠牲があってのこと」だから、その視点が全く欠けているのはやはりおかしい。
さらに『超力兵団(Soulless Army)』の終盤では、帝都が破壊されるシーンもあるが、現在ウクライナで戦争が起き、街が破壊される映像が繰り返しニュースで流れる今となっては、それを思い出して辛いという人も出てくるだろう。予め「このゲームには街が破壊されるシーンがあります。苦手な方はご注意ください」と書いた方がいいのだろうが、これじゃネタバレになるから…。
それにラストダンジョンでは『真・女神転生』(スーパーファミコン他)にある「ミサイル発射」、「洪水で東京が沈む」シーンが再現されており(具体的な映像は無いが)、これも「北朝鮮のミサイル発射」、「ロシアが核兵器を使うかも知れない」、「東日本大震災の大津波」といった現実を思うと、あまり見たくないものでしかない。まあそもそもこのゲームと『真・女神転生』が繋がること自体がおかしいけど…。そう考えるとやはり『超力兵団(Soulless Army)』の復活は絶望的だと私は考えている…。ライドウは好きだが、そうあって欲しいのだ。「右翼好みの天皇ファンタジー」が嫌いな者としても。天皇ファンタジーは歴史修正(改竄)主義とも相性が良いため、有害過ぎる。
また、そう考えると『真・女神転生』もこの先新たなリメイクは望めないのかも知れないなぁ…。宗教戦争(現実ではオウム事件があったし…)、ミサイル発射による崩壊、東京水没など、今となってはリアル過ぎて不謹慎とか言われそうだし(Nintendo Switch Onlineでは配信中だが)。続編の『真・女神転生II』(スーファミ他)も、「メシア教のやっていることは、テロ集団のオウム真理教みたいだ」とも思えるから、この先新たなリメイクはされないかも…。リメイクしたらまた宗教家からクレームが来そうだし…。